【学術Topic】テアニンの寿命延長効果
近年、ヘルスケアの分野で「Longevity(長寿)」が注目されていますが、ストレスが脳機能の低下、老化の加速、そして最終的には寿命にも影響を及ぼす可能性があることをご存じでしょうか?
本稿では、お茶に含まれるアミノ酸成分である「テアニン」が持つストレス抑制効果と、それが長寿に貢献する可能性について、2011年の研究を基にご紹介いたします。
記事の続きを閲覧するには
ログインが必要です
こちらはTaiyo-Library会員限定コンテンツです。
会員登録後、ログインをお願い致します。
研究方法と結果
この研究では、マウスに社会的ストレスを負荷した状況下で、テアニン摂取がどのような効果をもたらすかを評価しました。
まず、社会的ストレスを負荷するために、マウスを対面飼育*しました。
その結果、下右図のように、群飼育(コントロール)と比較して、ストレス負荷群では有意に平均寿命が短縮しました(コントロール群:17.6月齢±1.2月齢、ストレス負荷群:13.6±1.5月齢)。
このことから、ストレスが寿命を短縮させる可能性が示されました。
*1月齢の1か月間、仕切り板で区切ったケージに1匹ずつ単独飼育を行ってナワバリ意識を確立させた後、2月齢の時点で仕切り板を外して対面飼育。マウスはナワバリ意識が強いため、単独飼育でナワバリ意識を確立させた後、対面飼育を行うとストレスとなる。
次に、上記と同条件の対面飼育で社会的ストレスを与えたマウスを、「水摂取群」と「テアニン摂取群」で比較しました。
その結果、テアニン摂取群では平均生存期間は17.9±1.4月齢となり、水摂取群と比較して有意に寿命が延長しました。
これにより、ストレス条件下におけるテアニンの寿命延長効果が確認されました。
また、対面飼育により引き起こされる様々な影響についても、水摂取群と比較し、テアニン摂取群で以下の効果が確認されました。
✓ ストレスの指標の1つである副腎湿重量増加の抑制
✓ 大脳の委縮の抑制
✓ 学習能力の低下の抑制
✓ 脳の酸化障害蓄積の抑制
✓ 「うつ様行動」の抑制
これらの結果から、ストレスは脳機能の低下や老化促進につながる可能性があり、テアニンの摂取はストレスによる様々な心身への負の影響を軽減する可能性が示されました。
発表雑誌
掲載紙:「基礎老化研究」2011
総説タイトル:社会心理的ストレスによる老化の促進とテアニンの高ストレス作用
著者:静岡県立大学薬学部 海野けい子