【学術Topic】グアーガム分解物のセカンドミール効果
「グアーガム分解物を朝および昼に摂取することで夕食時の食後血糖値の上昇を抑制する」という“セカンドミール効果”の研究内容をご紹介します。
研究方法
健常若年男性 9 名を対象として、グアーガム分解物を摂取する試行(PHGG 試行)、プラセボを摂取する試行(プラセボ試行)の 2 試行を行うダブルブラインド・クロスオーバー試験※1 を実施しました。対象者には朝食時、昼食時に規定食とともに グアーガム分解物あるいはプラセボを、夕食時には規定食のみを摂取させました。
持続型血糖測定器※2 を用いて朝食、昼食、夕食時それぞれの食前、食後 30 分、60 分、90 分、120 分の血糖値を測定しました。また、各食後における曲線下面積(AUC)※3 ならびに最大値を算出し、群間比較を実施しました。
※1 ダブルブラインド・クロスオーバー試験
被験者、評価者の両方が、被験者がどの群に割りつけられているかを知らない状態で、被験者を異なる群に割りつけ、各群に試験食品かプラセボ(見た目や味などは試験食品と区別がつかないが、機能性成分を含まないコントロール食品)を一定期間摂取させた後、休止期間を経て、もう一方の食品を摂取させ、試験食品の有効性や安全性を比較する試験。被験者、評価者の思い込みや先入観の影響を排除でき、被験者の個人的な変動要素も排除できる、質の高い試験方法とされている。
※2 持続型血糖測定器
センサーを腕に取り付けることで 24 時間、数日間連続して血糖値を測定できる測定器。
※3 曲線下面積(AUC)
AUC(Area Under the Curve)は、グラフの曲線の下に含まれる面積を指す。血糖値の AUC は、血糖値の時間経過に対する曲線の下の面積を計算したもので、血糖値の総合的な変動を表す指標として使われる。
主な研究結果
グルコース濃度、AUCならびに最大値について、朝食時ならびに昼食時の全てのタイムポイントで、両試行に有意差は認められませんでしたが、夕食時において、プラセボ試行と比較して PHGG 試行では食後60分後の血糖値が有意に低く抑えられ、また、血糖値の最大値も低く抑えられる傾向が認められました。
本研究結果は第 10 回日本時間栄養学会学術大会で発表(東京工業大学・広島大学・太陽化学らによる研究グループ)しています。