【学術Topic】モリンガ種子由来グルコモリンギンの 肩こり・首の痛み、関節痛、 女性の疲労感や睡眠の質への有効性
モリンガ種子由来グルコモリンギンの「肩こり・首の痛み」「関節痛」「女性の疲労感や睡眠の質」への有効性データをご紹介します。本データは学術誌「Functional Foods in Health and Disease」に掲載されています。
モリンガ種子由来グルコモリンギンとは
モリンガは豊富なタンパク質、ビタミン、ミネラルに加え、様々なフィトケミカルなど、多くの栄養素を含み、スーパーフードとして世界中で利用されている植物です。特に種子には体内でモリンギンに代謝されるグルコモリンギン(Glucomoringin、以下 GMG)が豊富に含まれています。モリンギンは体内の生体防御因子を増加させ、抗酸化・抗炎症作用を高めることが数々の研究で明らかになっており、過去のヒト臨床試験では GMG の摂取により疲労感や腰痛が軽減されることが確認されています。また、最新の研究ではモリンギンが痛み受容体や睡眠に関連する神経伝達物質を調節する可能性も示唆されています。
研究方法
140 名の健常者を GMG 摂取群、プラセボ摂取群の 2 群に分け、ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間試験を実施しました。被験者にはプラセボもしくは GMG 12 mg/日を含む錠剤を毎日、4 週間摂取してもらい、身体の不調や睡眠の質などに関する QOL アンケート調査を実施し、酸化ストレスマーカーの測定を実施しました。
主な研究結果
試験の結果、GMG 摂取群ではプラセボ摂取群に比較して、肩こり・首の痛み、関節痛のスコアが有意に改善しました。酸化ストレスマーカーの値は試験期間を通じて両群ともに正常値内に維持されており、群間有意差はみられませんでした。しかし、摂取前の酸化ストレスマーカーが高めの被験者において、GMG摂取群ではプラセボ摂取群と比較して、肩こり・首の痛み、関節痛に加え、日常動作に伴う筋肉の痛み、膝の痛み、睡眠の質、モチベーション等、より多くの項目のスコアが改善しました。また、女性において、GMG 摂取群ではプラセボ摂取群と比較して、疲労感、肩こり・首の痛み、睡眠の質のスコアが有意に改善しました。一方、男性においては顕著なプラセボ効果が認められ、GMG 摂取群とプラセボ摂取群の群間差はみられませんでした。
発表雑誌
雑誌名:「Functional Foods in Health and Disease」
論文タイトル:Alleviating the physical discomfort in healthy individuals with Moringa seed extract: a randomized, double-blind, place-bo-controlled, parallel-group trial
著者:Aya Abe, Mahendra P. Kapoor, So Morishima, Derek Timm, Atsushi Nakajima, Makoto Ozeki, Norio Sato