水溶性ヘスペレチン-7-グルコシド製剤の 血管内皮機能改善作用および QOL 向上作用
水溶性ヘスペレチン-7-グルコシド製剤の「血管内皮機能」「倦怠感」「目の下のクマ」「まぶたのむくみ」への有効性データをご紹介します。本データは学術誌「診療と新薬」に掲載されています。
水溶性ヘスペ レチン-7-グルコシド製剤とは
ヘスペレチン-7-グルコシドとは、ヘスペリジンからラムノース基が外れた分解物です。ヘスペリジンもヘスペレチン-7-グルコシドも、腸管で吸収される際にはさらにグルコースが外れ、ヘスペレチンとなります。
ヘスペリジンは柑橘類に含まれるフラボノイドの一種であり、抗酸化作用、抗炎症作用、血管保護作用があり、ヒトにおいて血流および冷え改善作用も確認されています。一方で、水に溶けにくく、体内への吸収率が低いという難点があります。このため、一般的なサプリメントは摂取量を高く設定する必要があり、独特の苦みを感じやすいことから、飲みにくさの面で課題がありました。そこで、当社は独自の特許製法で、フラボノイドの吸収性を高めた 水溶性ヘスペレチン-7-グルコシド(以下 HPTG)製剤を開発しました。
研究方法
60 名の健常者をプラセボ群(HPTG 非摂取群)、HPTG 19.5 mg/日摂取群、HPTG 39mg/日摂取群の 3 群に分け、ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間試験 を実施しました。被験者にはプラセボもしくは HPTG を含むカプセルを毎日、12 週間摂取してもらい、血管内皮機能を評価するため、FMD 検査※1を実施しました。また、倦怠感やむくみなど、これまでにヘスペリジンで有効性が確認されている項目について、QOL アンケート調査を実施しました。
※1 FMD 検査
FMD(Flow-mediated-vasodilation)とは血流依存性血管拡張反応を指し、血管内皮機能の評価法の 1 つ。腕を圧迫した後、解放後どれだけ動脈が拡がるかを超音波にて確認し、血管の拡張率からFMD を算出する検査方法。一般的に正常値は 6%以上とされており、5%未満で血管内皮障害が疑われる。
主な研究結果
FMD 検査の結果、HPTG 摂取群では濃度依存的に血管拡張能力が改善し、 39 mg/日摂取群ではプラセボ群と比較して有意な改善が認められました。血管拡張能力は血管の「しなやかさ」「やわらかさ」に大きく影響することが知られています。つまり、HPTG の摂取で血管のしなやかさが維持される可能性が示されました。加えて、QOL アンケートの結果、39 mg/日摂取群では、プラセボ群に比較して「倦怠感」「目の下のクマ」「まぶたのむくみ」が有意に軽減される結果となりました。
発表雑誌
雑誌名:「診療と新薬」
論文タイトル:Hesperetin-7-Glucoside-β-Cyclodextrin Inclusion Complex is associated with improvement in vascular endothelial function, and mental and physical health in healthy subjects. -A Randomized, Parallel, Double-Blind, and Placebo-Controlled Study-
著者:Masamitsu Moriwaki, Aya Abe, Mahendra P. Kapoor, Akiko Yamaguchi, Saki Okamoto, Makoto Ozeki